2006  国際救助犬試験           

■ 2006. 10.24-26   第5回RDTA国際救助犬試験
        (神奈川県警察本部嘱託災害救助犬推薦審査)

 日時:10月24日〜26日
 場所:神奈川県横浜市瀬谷区瀬谷町・旧県営瀬谷団地跡
 審査員:アルフォンス・フィーゼラー(ドイツ)
         *国際救助犬連盟公認審査員

 申込頭数:28頭
 合格犬:瓦礫捜索A段階・・5頭、瓦礫捜索B段階・・1頭
      広域捜索B段階・・1頭
 協力:  学校法人中村学園専門学校ちば愛犬動物学園
       麻布大学・帝京科学大学
       学校法人東京コミュニケーション専門学校
       東光自動車株式会社
       神奈川日産自動車株式会社 泉中田店


 本年もRDTA恒例、秋の第5回国際救助犬試験(神奈川県警察本部嘱託救助犬試験併催)が横浜市旧瀬谷団地跡地に おいて開催されました。
  2006年10月24日(火)25日(水)26日(木)の3日間にわたり、ドイツよりアルフォンス・フィーゼラー氏を 審査員として招き、前回にも増して厳しく試験が行われました。 毎回私達の課題とされる捜索会場の難度について、今回はフィーゼラー氏から1回で「OK」が出たことが何より嬉しく、 そして試験中・試験後を通して、犬の質とハンドラーの質が向上している事を、補助審査員として彼の側に立たせても らった私に対して何度となく説明をしてくれました。 この事は、毎回招く外国人審査員全てから言われてきた事なので、RDTAとして課題をひとつクリヤー出来たものと 受け止めたいと思います。

 本年夏、私自身2度ヨーロッパに渡り、オーストリアの地区試験を体験して参りましたが、今回の広域や瓦礫捜索会場の 難度はどちらも本場の物と比べても引けは取らないと言えるでしょう。経験をいかせた事は大きな収穫だと満足をして おります。 そして遠方より参加、出場して下さった大阪の澤田さんグループを筆頭に数多くの救助犬とハンドラーが、私達の試験の 趣旨を理解し集まって下さった事を本当に嬉しく思い感謝しています。全国的に良い救助犬がたくさん作出されて行く事 を信じ、今後も一層の努力を決意しました。



 審査員のフィーゼラー氏は試験の中で、常に言っていたのは「その犬が作業に喜びを感じているか?」「実際に使えるか?」 「試験のための訓練で良いのか?」これが強く印象に残っています。
今回合格はしなかったが、彼の記憶に残った数頭の犬とハンドラーの名は私も同様に感じ、意見をひとつに出来た事は 感銘を受けました。 彼曰く、与えられた時間と権利はハンドラーだけのものでは無く、犬と共有する物であって、それを忘れると動物虐待 につながってしまいます。何故ならば、救助犬の捜索作業は苛酷だからです。喜びを感じずにただ「やらされている。」 では救助犬として辛い事なのです。ハンドラーの満足は犬と楽しんでこそ得られるのです。



 今回の試験も数多くの人たちに支えられて無事終了する事が出来ました。 いつもながら要員として協力を頂いた麻布大学の皆さん、帝京科学大学の学生さん、 千葉愛犬専門学校並びに東京湖ミニケーションアート専門学校の生徒の皆さん、本当に有難う御座いました。
皆さんのお陰でスムーズな運営と内容の濃い試験が出来ました。

 そして今回厳しい難度の捜索会場を作り出した。4台の車両と古タイヤを夜間、休日をも顧みず提供協力くださった 横浜日産モーター株式会社「泉中田店」、東光自動車株式会社、その他ご協力を頂いた皆様、そして多くの出場者の方々、 細部に亙り行き届かない点は多々あったかと思いますが、試験の成功に免じお許し頂いて、お礼申し上げます。

 最後になりましたが、準備段階初日の現場確認から終了最終確認まで常に同席頂きました神奈川県警察本部災害対策課・ 課長をはじめ、課の皆様のお力添えに深く感謝し、お礼申し上げます。
本当に有難うございました。                                      【 村瀬英博 】

《 結果 》
■ 瓦礫捜索部門(A段階)
(席次)     (犬)                   (CN)    (所有者)   (指導手)    (点数)
1位  バロン フォン ヨーコショーナン JP     ランディ♂    武内鉄夫    村山健太   272  合格
2位  Andy von yamaiku            アンディ♂    木名瀬聡    澤田和裕  261  合格
3位  Ricky                      リッキー♂    堤 一美     堤 一美  245  合格
4位  Felice cane JP AROMA    フェリーチェカーネ♀    悦田 浩   悦田比呂子  224  合格
5位  Buggo vom Glucksklee          ブッゴ♂     悦田 浩   悦田 浩    219  合格
■ 瓦礫捜索部門(B段階)
1位  ジェニファー                 ジェニファー♀    伊野千恵子  松元律子   261  合格
2位  キッド オブ ヨーコショーナン JP     ホニ♂       竹村浩美   竹村浩美   247
3位  ケイト オブ ヨーコショーマン JP    ディナー♀       村瀬洋子   脇田美津枝  218
■ 広域捜索部門(A段階)
1位  Muku of Maya Lovely Engel JP        ムク♂   倉内敬子   倉内敬子   123   
■ 広域捜索部門(B段階)
1位  エロス フォン デア グルントシェネリッヒカイト  エロス♂  村瀬英博   村瀬英博   274  合格 
2位  Backs von Yoko Syonan JP           ブロウ♂  大谷久子   大谷久子   224   
3位  BETTY OF POP HAMA GOLDEN JP      あかね♂  三田稲子   大島かおり  179   


瓦礫捜索部門(A段階)   瓦礫捜索部門(B段階)  広域捜索部門(A段階)   広域捜索部門(B段階)


●●● ジェニファー
                                  【ジェニファーオーナー  伊野千恵子】

 初めてジェニファーと会ったのは2002年2月です。
母の死、父の死、そして1月には可愛がっていたJJ(コリー犬)までも死に、どうしても 心の隙間が埋められず、やはり子供の時から、犬、猫、が心の友(支え)として生きてきた 私にとって次なる同居犬?を探し始めました。

 ご近所に「保健所の犬、猫、を救い会」の事をご存知の方から紹介され、早速、 石川悠子様の所に出かけました。 そこで初めてジェニファーをはじめ、8頭位の犬に会い(正確には3件の家にわたり犬と面会をしました) 獣医の先生にもそれぞれの犬の性格を聞きましたが、2回目に会った時は1番ジェニファーからの アピィールが強く、この子は家に来る子だと感じました。
野犬として半野生化したいた為か、なんにでも吠え、投書が来たり、引きも強く、梃子摺りましたが、 大島かおりさんの訓練所に通うようになって1年で、獣医の先生にも驚かれる程見違える様に なりました。

 訓練所に通うようになって2年目位の時、救助犬訓練のお話をいただきましたが、仕事犬は ストレスがたまるため短命になるという事を聞いていたのでお断りしましたが、その後、 ジェニファーは訓練を遊びの中で楽しんでやっていて、逆にストレス解除になっている様だと 言う事を伺い
「それでは救われた命なので、次は人を救う為に働く番なのかな? 」
「お母さんもボランティアを頑張っているので、ジェニファーもボランティア犬として働こうか?」
という事で、救助犬の訓練に全面的に協力する事に決めました。

 救助犬にするというのには大分時間がかかりましたが、大島さんも現トレーナーの松元さんも ゆっくり待ってくれました。 松元律子さんとペアを組んで訓練を始めてどんどん新しいことを覚え又、家庭犬では 経験する事の出来ない活動、訓練に出会い、それぞれ、楽しくこなしている姿を見ると 救助犬として育て始めた事は正しい判断だったと思っております。

 これからも、家では甘ったれで、救助犬とは思われないドジ犬として家の中を歩き回って いますが、救助犬としてよりレベルアップしていってほしいと思います。
それと同時に、いつまでも 楽しそうに、ニコニコしているジェニファーで居てほしいと思っています。

●●● ジェニファーに出会えて
                                   【RDTA所属訓練士 松元律子】

 ジェニファーは保護センターにいたところをオーナーである伊野さんが里親となり、落ち着きのなかったジェニファーの 様子を見て、大島ドッグトレーニングスクールで家庭犬としての訓練を入れることを決めたそうです。当時、私は大島 ドッグトレーニングスクールで、お世話になっていました。大島所長からジェニファーの担当になるように言われ、ジェ ニファーの訓練をしてみると、ある程度の訓練は入っているし、足場の悪いところも怖がることもなく、人に対しても警戒 したりしなかったので、家庭犬の訓練で、終わらせるのはもったいないと思いました。 丁度そのころ、私は、大島ドッグトレーニングスクールを独立しようと考えていた時期で、所長にお話をしたところ、 「一人で、やってみるのもいいかもしれない。」ということで、独立することになりました。そのときに、ジェニファーは 私自身の訓練の勉強になるからと、私に託してくれました。

 そして、伊野さんへジェニファーを実働のできる救助犬にしたいと申し出たところ、「折角、助かった命なのに危険な 仕事をさせるのは・・」と最初はためらっているようでしたが、ジェニファーの訓練しているところを見ていただいたり、 救助犬のお話をしていくうちに伊野さんが理解を示してくださり、「今度はジェニファーが人の役に立つようになってく れれば・・」ということで、救助犬としての訓練をやり始めてみると、ジェニファーに合っていたのか人を探すことを面 白がり、どんどん力を付けていきました。

 初めての試験では、A段階を難なく合格してしまったので、「まぐれ犬」といわれることもありましたが、今思うと 「まぐれ」ではなく、あれが、ジェニファーの実力だったんだと思います。それから、実演に出たり、防災訓練でヘリに 搭乗したり、いろいろな場所へ行き、捜索の練習をしたりしていくうちに、いつの間にか私の想像を超えるほどの実力を 付けていくようになりました。そして、今回の国際救助犬試験では、晴れて、1席という成績を収めることができました。

 ジェニファーと出会ったおかげで、救助犬の国際大会を見学に行ったり、オーストリアへ救助犬の勉強をしに行ったり することができ、救助犬を育てることの面白さを知ることや、犬との関わり方や考え方も今までとは違った視点から見る ことができるようになりました。ジェニファーと共に私自身も、成長できたと思います。 ジェニファーがここまでこられたのは、オーナーである伊野さんや大島所長、それから、捜索の練習場所を提供して くださった方々や仮想被災者をしてくださった方々、いろいろな方たちのご協力とご指導があったからです。本当にあ りがとうございました。
 これがゴールではないので、今後もジェニファーと共に救助犬の勉強をし、一頭でも多くの救助犬を育成していくよう、 がんばってまいりますので、ご支援、ご指導のほど、宜しくお願いいたします。

                  


●●● ランディ
                                  【ランディオーナー  武内鉄夫】

 「仔犬が生まれましたよ」の連絡を受けて、家族一同そろって村瀬訓練所へ馳せ参じたのが3年前のこと。村瀬所長の 前にチョコンと座る仔犬をみて「この仔が可愛い」の家内の一言で我が家の一員に加わりました。 娘の好きなミュージシャンの名前から「ランディ」と決定。
その後、我がランディはウィルス性胃腸炎を発病し1ヵ月近く獣医さんで点滴を受け、当時の訓練士の溝部さんと家内の 献身的な介抱を受けて回復。この大病を多くの人に支えられて乗り越えたそのご恩に報いるべく、救助犬の道を選んだの でしょう。

 その後、村山訓練士のご指導により国際救助犬試験に高得点で合格。更に県警の嘱託犬に任命され我が家の話題を一人 占め。 救助犬として益々活躍することを期待するとともに、多くの方々のご指導にランディに代わりまして感謝申し上げます。



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